今シーズン、シープスキンのアウターが目立つ。「ジェームズ・ロング(JAMES LONG)」もシープスキンのアウターを見せた中の一つで、デビューコレクションでも見せた大きな衿のコンバットジャケットが登場している。「メンズウエアを機能的である以上のものにしたい」との発想からスタートした今シーズンは、スポーツウエアをベースにしつつ、パーカにテープとバックルでシャーリングを入れてみたり、トレーニングパンツ風のボトムにアップリケで装飾を乗せたりと、機能以外のところでの変化を楽しむコレクションとなった。
ジェームズ・ロング 15-16AWコレクション
19世紀末、困難を極めたアンデス山脈横断鉄道の工事に携わった英国人技術者たちをインスピレーションに、英国風とアンデス風が融合したコレクションを見せたのは「リチャード・ジェームズ(Richard James)」。ビスポークも手掛けるテーラーだけに、スーツがずらりと並ぶのかと思っていたが、スーツらしきものはごく少なく、デニムやコーデュロイパンツをごついブーツと合わせ、ポンチョをまとった西部劇のようなルックの印象が強い。ポンチョはヘリンボーン柄のウールで作られ、一方テーラードジャケットのポケットや衿、カフスには、アンデス風のカラフルなモチーフが小さく乗せられる。いかにも英国的なベルベットのスリッパ(スリッポン型のメンズシューズ)には、アンデス風のモチーフが刺繍されていた。
リチャード・ジェームズ 15-16AWコレクション
スパイ小説やギャング映画をインスピレーションに、大人の男の遊びをモチーフとしたコレクションを見せたのは、ロンドンコレクションズ:メン初参加の老舗シャツメーカー、「ターンブル&アッサー(Turnbull & Asser)」。トランプ、チェス、競馬など遊びのシーンを想定し、それぞれにふさわしいシャツとネクタイのコンビネーションやトランプ柄のジャケットを見せた。色鮮やかなネクタイには、ジグソーパズルの柄も。
今年創業200周年を迎える「プリングルオブスコットランド(PRINGLE OF SCOTLAND)」。200周年記念イベントの始まりが、メンズコレクションのショーだ。記念すべき年にふさわしくブランドの歴史を振り返り、アウターウエアとしてのニットウエアをフィーチャーした。コートやジャケットに、部分使いも含めてニットが用いられている。柄は、シグネチャーであるアーガイルがやはり、あちこちで使われている。ミンクの刈り毛で表現したアーガイルは、ゴージャスさと繊細さを兼ね備えている。
プリングルオブスコットランド 15-16AWコレクション