今春夏はネオンカラー、ビタミンカラーと呼ばれる明るいカラーの商品が流行している。特にボトムスに関して言えばメンズ、ウィメンズともこれほどカラーパンツ類が流行するのはかなり珍しい。
一方、先頃開催された欧米の今秋冬向け各コレクションにおいては、「黒」がトレンドに復活していた。
メンズ、ウィメンズを問わず国内アパレルの今秋冬向け展示会を訪問すると話題に上るのが「本当に今秋から欧米で言われているように『黒』が流行するのでしょうか?」ということである。アパレルの企画担当者や営業担当者にすれば、これだけカラフルさが流行している状況から一転して、秋から黒を主体としたモノトーンがトレンドになるのだろうか?と疑問に感じるわけである。
大賀が展開するメンズブランド「キャサリン・ハムネット・ロンドン」では今秋冬企画で黒・紺・ベージュをベースカラーとして、そこにアクセントカラーのロイヤルブルーや、ややくすんだトーンの赤とオレンジを差し込む。「カラーアイテムの流行はトーンをくすませながらも今秋冬も続くと考えている」という。
最も苦心しているのは、カジュアルパンツブランドだろう。現在好調なのはホワイトパンツ、花柄パンツ、カラーパンツの3種類である。この傾向が秋冬も続くかどうかを読み切ることが、自社の業績を決定づけるからだ。
メンズブランド「ブルーウェイ」、ウィメンズブランド「エ・ボワット」を展開するブルーワークスカンパニーのブルーウェイ事業部は、春夏はメンズ、ウィメンズともにカラーパンツが好調で、特にピンクやイエローなど明るい色の商品の製造が追いつかないほどだ。その他にはウィメンズの花柄パンツ、メンズ・ウィメンズのホワイトジーンズも堅調だが、ブルージーンズの動きは鈍い。それだけに今秋冬のカラーパンツ動向に神経をとがらせている。秋冬物の展示会ではくすんだカラーや花柄パンツも好評だったが、ホワイトパンツも例年よりも反応が良かったという。
展示会での反応と、黒主体のモノトーントレンドを合わせて考えると、ホワイトボトムスが伸びる可能性があるのではないだろうか。