1849年にフランスで創業、2010年にLVMHグループのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)CEOが出資したことでも話題となった、バッグブランド「モワナ(MOYNAT)」が、日本初のポップアップショップ「ル・モワナ・トランクショー(Le Moynat Trunk Show)」を伊勢丹新宿店に約1ヶ月間の期間限定でオープンした。
このトランクショーは世界5大陸を巡回予定で、今回は7月のパリのギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)に次ぐ2回目の開催。日本では、世界に一つしかない”マカロントランク”が初公開された。
64個ものマカロンを収納できるこのマカロントランクは、アーティスティックディレクターのラメッシュ・ナイール(Ramesh Nair)がパリのパティスリー「ピエール・エルメ・パリ(PIERRE HERME PARIS)」のショップの前を通りかかったときにインスパイアされて誕生。「フランスではシンプルでベーシックなスイーツであったマカロンが、ピエール・エルメの手によりラグジュアリーなものへと昇華された。そのストーリに惹かれた」とラメッシュ氏。赤い色やサークル型のフォルムは日本の”日の丸”を、中央から分かれて開く仕組みはてんとう虫が羽を開く様をイメージ。ディテールに使用されたカラーも、ピエール・エルメのマカロンからピックアップしたという。
また、2種類のストラップ付きリバーシブルトートバッグ「クアトロ」、自動車の形にフィットするように形作られたモワナのトランクからインスパイアされた軽量のハンドバッグ「ポリーヌ」など、ブランドを代表するハンドバッグが数多くラインアップ。特に人気のあるこの2型は、日本の女性の要望に応えて持ち運びのしやすい小さなサイズも展開する。ブランドのシンボルでもあるキーロックやゴートスキンのラインをデザインに取り入れた、新作バッグの「リムジン」も豊富なカラーバリエーションでそろえる。
ラメッシュ氏は、「ミニマムであること、パーフェクトであること、そしてクラフトマンシップに則っていること、この三つを最も大切にしている。”それぞれのバッグは高度な職人技術を使って作られているが、細かいディテールにもこだわりがあるため妥協は辞さない」と語る。
また、CEOのギョーム・ダバン氏は、「モワナには、クラフツマンシップに裏付けされた高い品質、メゾンの歴史など、日本人の共感を得られる要素がたくさんある。パリ店のクライアントの1割も日本人。日本でのこれからの展開が楽しみで、今回のポップアップショップ企画を皮切りに、少しずつビジネスを拡大して行きたい」と話す。
モワナは創業時、馬車や自動車の屋根に乗せるためのトランクを開発して人気を博し、1854年以降はキャンバスバッグやウィメンズのハンドバッグも手掛けるようになった。1976年に一度ビジネスをクローズしたが、2011年にベルナール・アルノー出資のもとその歴史を再開。パリのサントーレ通りにフラッグショップを構えている。
今回のポップアップショップは、パリ店同様に、東京をベースに活躍する、建築家のグエナエル・ニコラ(Gwenael Nicolas)がデザインを担当。世界5大陸を巡回予定。