ワイン教室に通い始めて半年。カタカナ専門用語にも慣れ、ワインの世界の奥深さを楽しめるようになってきた今日この頃ですが、「見たことのない風景、飲んだことのないワイン、味わったことのない食事を、旅するような気分で楽しみながら語り合う」という素敵なテーマのイベント「Fine Dine Discovery」を発見して、参加してきました。毎回日本ではお目に掛かるのが珍しい国のワインにフォーカスしており、今回はルーマニアでした。
実はルーマニアのワイン生産量は約592万ヘクトリットルで世界13位。ローマ帝国が誕生するよりもっと前、4,000年前からワインが生産されており、ローマ神話の酒の神「バッカス」もルーマニア生まれなのです。面積は日本の本州と同じくらいの大きさで、人口は約1,904万人ですが、ブドウの栽培面積は約50.4ヘクタールで、世界第10位。ソーヴィニヨン・ブランやメルローなど国際品種に加え、100種類以上の固有品種が存在します。四季があり、地域によって気候や土壌が異なるため、多様なテロワール(風土の違いなどに起因するワインの個性)が存在し、ワイン通にも注目されているそうです。
テイスティングセッションに登場したワインは、次の5種類。「Maria Feteasca Alba 2011」は、ルーマニアで1番人気の、フェテアスカ・アルバというブドウを使ったワイン。“フェテアスカ”は乙女、“アルバ”は王室という意味。フルーティーでオレンジっぽい風味。「Mysterium 2012」は、ブドウの配合が秘密なので、“秘密”という意味の名前が付いています。迷路のようなラベルは、ブラックライトを当てるとワイン名が浮き出ます。そう言われると、なんとなく複雑な味わいがしてきますね。
「Trei Hectare Feteasca Neagra 2008」は、フェテアスカ・ネヤグラ(“ネヤグラ”は黒という意味)を使用しており、大きなワイングラスに移して飲むと味わいががらっと変わってびっくりします。「Original Cabernet Sauvignon 2011」はフルーティーでタンニンとのバランスがとても良いワイン。「ルーマニアにもこんな素敵なカヴェルネがあるのよ」と今日の先生、JSA Senior Wine Expertの羽生木織さんのコメントです。最後は「Cotnari Tamaiosa Romaneasca 2005」。貴腐ワインのように甘いですがレイトハーベスト(遅摘みのブドウ)も混ざっており、酸味も残っていて飲みやすいワイン。グラスはリーデル社のものが用意されました。
勉強の後のお楽しみは、クイズ大会!そしてなんと私のチームが優勝!「Zarea Diamond Collection Brut」という、ルーマニアで1912年から作られ続けているスパークリングワインをゲットしました!もちろん、他のチームの皆さんとシェアして楽しみました。
そして、これらのワインに合わせて用意された料理はもちろんルーマニア料理。前菜のブレテ・カスカヴァル(チーズのボールフライ)はルーマニアのお祭りでお馴染みの料理で、子供達が大好きなんだそう。ミティティ(自家製ソーセージ)は、プルッとした食感と、ルーマニア独特の香辛料で風味豊かな一品。デザートにも、ワインにぴったりなパラチンタ・ク・ブランザ(チーズパイ)とアイスクリームが登場しました。
生産国を旅した気分になれるのもこのイベントの特徴。ルーマニア観光局のプレゼンテーションでは、中世の街並みが残る素敵な風景が紹介されました。ルーマニアには世界遺産が29ヶ所も存在し、首都ブカレストは「バルカンの小パリ」と呼ばれる景色が旅行者を惹き付けます。他にも、山歩きやトロッコ列車での旅、ドラキュラ伯爵伝説で有名なブラン城など魅力的な観光地がたくさん。アンチエイジングや美肌効果が期待できる泥パックはヨーロッパのセレブリティも通うほどだそうで、ワインよりも(?)気になる!6月21日に公開されたルーマニア映画『私の、息子』では、ルーマニアの今を感じることができます。
Fine Dine Discoveryでは、これまでにブルガリアやイスラエル、スロヴェニアなどのワインも採り上げてきたそう。いつもと違ったワイン体験、次回も楽しみです。