本連載では、日々進化を続けるIT技術で、ファッション業界でのイノベーションを試みようとするベンチャー企業をレポートする。後編では、BASEの今後のビジネス展開を中心に鶴岡氏に話を聞いた。
現在、BASEに登録した1万店舗のうち、稼働しているのは2000から3000店舗。まずドメインを取ってみただけで、これからビジネスを始める会員も多いと推定される。今後の展開では、この登録ユーザーにBASEのサービスをより積極的に利用してもらうこと、そして「ネットショップを作るためのWEBサービス」という枠からさらに発展させていくことがキーとなる。
鶴岡氏はBASEをスタートさせる前、家入氏が代表を務めるハイパーインターネッツ社でインターンとして参加。クラウドファンディングサービスを提供するcampfire(キャンプファイヤー)に関わった経歴を持つ。同サービスは、クリエイターが作品の予約販売を通して制作に必要な資金をファンから募ることができるサービス。WEBサービスによって新しい経済の流れをつくりだし、モノづくりにつなげていくことへの興味は、そこで培われた。
「ビジネスについて、告知の仕方、プログラミング、チームワークの大切さ、人との出会いなど、すべてを学ばせてくれたリバティは、私にとって宝箱のような存在です。BASEはそのリバティで初めて法人化されたプロジェクト。若い人たちが集まるリバティで、僕がさらに年下の人たちに、いろんな可能性を見せていきたいと思っています」と鶴岡氏。
ちなみにBASEのURLのドメイン名である「thebase.in 」は「”家”という意味もある”base”に、”入る”という”in”がつながって、日本語で”家入”という意味になっていることに後で気づきました」と鶴岡氏は笑う。
若干23歳の若き経営者は、偶然にも家入氏と同じ誕生日。強力な後ろ盾と自由な発想を武器に、新しいECの時代の風を運ぶ。
【鶴岡 裕太 プロフィール】
BASE株式会社代表取締役。現在23歳。大分県出身。趣味はインターネット。高校・大学と情報系の学校に通う。両親は経営者。クラウドファンディングのcampfireの運営を行うハイパーインターネッツ社でエンジニアのインターンとして働いた後、paperboy&co.創業者家入一真氏(ハイパーも操業)とモノづくり集団Livertyをスタートし、顔面を広告枠にする顔面広告や、学費支援プラットフォームstudygiftなどのディレクション、バックエンドのプログラミングを行い、2012年11月よりBASEプロジェクトをスタートした。