資生堂は10月2日、東京・銀座に本社社屋「資生堂銀座ビル」をオープンする。これは1966年に竣工した本社旧社屋の建て替えによるもの。建物は地上10階・地下2階建てで、延床面積は約9,957平方メートル。オフィス機能を中心に、多目的ホール、レストラン、外部テナントが入る商業スペースなどから構成される。
ビルの基調となるデザインには、資生堂を象徴する「花椿」と「唐草模様」を採用。建物全体を覆うアルミシェードは一つひとつがオリジナルデザインの「未来唐草」から構成され、モダンな印象を醸し出す。緑化運動の盛んな銀座のビルらしく、屋上緑化だけでなく、環境性能の高い資材の使用や設備を導入している点も特徴。旧社屋に対して約30%もCO2を削減しているという。
資生堂はこのビルをクリエーティブ機能を有する部門を集約した「価値創造拠点」と位置付けており、フロア構成もそのコンセプトに沿った形にする予定。6階から10階までの5フロアは同社のワークプレイス。5階は同社の美容施設「資生堂ライフクオリティー ビューティーセンター」(10月22日より移転再開)、3階は多目的ホール「資生堂花椿ホール」、1階・2階は洋服やアクセサリーを扱うショップ「ロロ・ピアーナ」(今秋開店予定)、エントランスと地下1階は同社が運営するフランス料理店「ロオジエ」(10月25日より営業再開)が、それぞれ入居する。
同ビルのオープンにあたり、資生堂は都内に分散しているオフィス機能を三つの本社拠点(資生堂銀座ビル、汐留オフィス、汐留FSビル)に集約する。「資生堂銀座ビル」には宣伝制作部、企業文化部を始め、子会社「資生堂パーラー」などが10月上旬より順次入居。その後、二つの子会社を「汐留オフィス」に集約し、来年秋には「資生堂五反田ビル」に入居している「資生堂ビューティークリエーション研究センター」を含む複数の部門を「汐留FSビル」に配置する。一連のオフィス再編は2014年秋までに完了させる予定。