9月20日、開発に伴い生まれた一時的な空間を使ったクロスジャンルなアートプロジェクト「トランス・アーツ・トーキョー(TRANS ARTS TOKYO 2014)」が、東京・神田でスタートした。期間は11月3日まで。
今年で第3回目となる同プロジェクト。今年は、“家族がリビングで過ごす時間のように人々が集まり対話を生み、多様な価値観を交換出来る場”をテーマに、旧東京電機大学11号館跡地、アーツ千代田3331、ワテラスコモンなどの神田エリアに会場を設け、音楽ライブ、巨大アート作品展示、キャンプ体験、カレーとスポーツのエキスポなど多彩なコンテンツを行う。
開催初日の20日にはオープニングレセプションが行われた。それに合わせて、直径30m以上の巨大生物の気球作品「スカイホエール(Skywhale)」を展示するオーストラリアの現代美術家パトリシア・ピッチーニ(Patricia Piccinini)が来日。Skywhaleは今回のメイン会場・旧東京電機大学11号館跡地に展示され、しかも空を飛ぶデモンストレーションを行う(9月21・27・28日)。日本で飛行するは今回が初だ。
ピッチーニ氏は、「この新しい取り組みを行うイベントだからこそ、『これはなんだろう?』と考えさせるインパクトのある作品を選んだ。『この生物がどんな生活をしているのか?』『どんな食物を食べているのか?』と考えながら見て欲しい」と話す。同作品は、海中で生きている生物は、空中でも生きることが出来るのではないか?という発想の下、生まれたという。
その他、宇川直宏が設立した「ドミューン(DOMMUNE)」のキュレーションによるライブ「ドミューン・ライブ・プレミアム“カンダ・インダストリアル”(DOMMUNE LIVE PREMIUM “KANDA INDUSTRIAL”!!!!!!!)」(10月12日)や、都心のど真ん中に出現したキャンプ場にてテント泊を行い、非日常を体感出来る「アーバンキャンプ・トーキョーホテル」(11月1日から3日)、スポーツ体験とカレーの食べ比べ、アーティストの岩田草平によるワークショップなどを実施する「神田スポーツ&カレー エキスポ」(10月4・5日)、現代美術作家・椿昇と社会学者の室井尚によるバルーン作品「インセクト・ワールド―飛蝗(ばった)」の展示(10月19・20日)、ビルの谷間に設置した大規模スクリーンに、池田嘉人を始めとする主催の東京藝術大学にかかわる様々な映像作家の作品を上映するプロジェクト(10月11・12・13日)、「ジェニー・ファックス(JENNY FAX)」15SSコレクションファッションショー(10月19日)など盛り沢山のイベントが予定されている。
トランス・アーツ・トーキョーは、神田に新たな産業・コミュニティーの場を生み出すための一歩として2012年10月に開始。初開催時には約300名のアーティストと1万人以上の来場者が集結し話題を呼んだ。
統括ディレクターを務める中川政人氏は、「新しい縦構造の街を作るモデルとなるプロジェクトだと思っている。これからも4年、5年と続け、更には2020年のオリンピックに向けて、東東京の魅力をどんどん発信して行きたい」と意気込んでいる。
【イベント情報】
TRANS ARTS TOKYO 2014
会場:旧東京電機大学11号館跡地、アーツ千代田3331、ワテラスコモンなど神田エリア
会期:9月20日から11月3日