「柳宗理の見てきたもの」展、日本民藝館で開催。深澤直人講演会も

2013.08.30

工業デザイナーとして世界で活躍する傍ら、約30年間に渡り日民藝館の三代目館長を務めた柳宗理の愛蔵品を始め、柳家から遺贈された陶磁や染織品などが展示される特別展「柳宗理の見てきたもの」が東京・駒場の日本民藝館で11月21日まで開催されている。

本展では、儀式などで使用された絞りに代表される「アフリカの布」、民藝館の創立者であり、宗理の父でもある・宗悦(むねよし)が収集し一家の食卓で使用された富本憲吉や河井寛次郎、濱田庄司などの器、内山光弘が考案した折り紙紋折り」や正月や節句などの飾り物として使われた小形の凧「雛凧」など、宗理の創作活動の源となった民芸品の数々が展示される。

また、10月21日には記念コンサートが開催される他、11月2日にはプロダクトデザイナーで現・同館館長の深澤直人による記念講演会を開催。深澤の講演会は発表後、すぐに定員に達したという。(現在は受付終了)

柳宗理は1915年生まれ。40年に東京美術学校洋画科を卒業し、太平洋戦争後にデザインの研究を開始。57年、代表作「バタフライ・スツール」と「白磁土瓶」がミラノ・トリエンナーレで金賞を受賞。その後、ミラノ市近代美術館でデザイナー初の個展を開くなど国際的な活動を行う。78年、日本民藝館館長に就任。2011年12月に亡くなるまで「民藝館と現代社会を結びつけること」「民藝の美をどのように現代に蘇らせるか」を自らの使命として、展覧会の企画 やディスプレーを始め、ポスター雑誌『民藝』のグラフィックなどを手掛けた。


イベント情報】
特別展「柳宗理の見てきたもの」
会場:日本民藝館
住所:東京都目黒区駒場4-3-33
会期:11月21日まで
休館:月曜日(祝日の場合は、翌日休館)
料金:一般1,000円、大高生500円、中小生200円
編集部
  • インド・ラダックでの柳宗理 1983年
  • 毛織衣裳 チベット 20世紀 高111.0cm
  • 毛織衣裳 チベット 19-20世紀 縦126.0cm
  • 鉄釉白流甕 福岡県小石原(日本) 19世紀 高31.0cm
  • 土器  マリ共和国(アフリカ) 12-16世紀 高28.5cm
  • スリップウエア角皿 英国 18世紀後半-19世紀前半 幅34.5cm
  • 緑釉手付肉汁受皿 フランス 18世紀 横33.7cm
  • カチナ人形 2種 ホピ族またはズニ族 アメリカ先住民 19世紀後半-20世紀 高24.0cm
  • 絞 腰巻衣 マフェル(男性用・部分) ブショング族 コンゴ民主共和国(アフリカ) 20世紀 幅80.0cm
  • 屋根獅子(シーサー) 沖縄県(日本) 20世紀 高39.0cm
  • サイチョウ(カラオ) セヌフォ族 コートジボワール 20世紀 高102.0cm
  • サイチョウ(カラオ) セヌフォ族 コートジボワール 20世紀 高102.0cm
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