社会批評的な視点のイメージを持つことで、イギリスはもとより世界中で評価を得てきた写真家、マーティン・パー(Martin Parr)が新作「ライフ・イズ・ア・ビーチ(Life's a Beach)」を携えて来日する。
マーティン・パーは1952年、イギリス、サリー州エプソン生まれ。マンチェスター大学で写真を学び、卒業後の1975年よりダブリンの芸術大学をはじめ英国各地で教鞭をとる。ニューカラーの旗手と評され、そのユニークなカラー写真には社会を見つめる独特のセンスが現れている。
写真展へ取り組みも早く、1974年から英国はもとより、アメリカ、ヨーロッパ、日本、中国などで開催。多数の作品がニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめ、パリ、ロンドン、東京など多数の美術館にコレクションされている。2002年にはロンドンのバービカン・アート・ギャラリーで回顧展が開催。2007年、東京都写真美術館にて「ファッションマガジン」展、同時に東京のポール・スミス・スペースギャラリーにて写真展「Paul Smith @ Ilford」を開催するなどファッションとの親和性も高い。
また、現在活躍しているドキュメンタリー・フォトグラファーの中で最も有名な一人であると同時に、世界屈指の写真集コレクターでもあり、アートフォトブック分野の専門家としても知られている。
新作「Life's a Beach」では、彼が何十年も撮りためたという、日光浴する人たちの寝顔や勝手気ままに飛び込む海水浴客、ピクニックの場所を探して果てしない砂浜を歩く姿など、ビーチに残る古き良き伝統を記録したものとなっている。
「ビーチで必ず見かけるのが物売り、これは世界共通だ。ブライトンのアイスクリーム、インドのリゾート地ゴアの耳かき屋、チリの魚の丸焼き、中国の麺料理
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